月2,000円ほどで、AIがさわれる自社CMSをつくった話
Author
Sota Nakajima
Date Published
弊社は自社サイトを、新しいしくみでつくりなおしました。WordPressのような従来のCMS(記事や画像を管理するしくみ)ではなく、AIが直接さわれる構成です。サーバー代は月2,000円ほど。この記事は、その構築の記録です。
「うちのサイトもそろそろ見直したい」「AIを業務にどう活かせるのか知りたい」と考えている情報システム担当の方に、ひとつの実例として読んでいただけたらと思います。
なぜ、いまつくりなおすのか
きっかけは、Webの世界が大きく動いていることです。WordPressがAI対応を進め、AIがWebサイトの中身を読み書きする流れが広がってきました。私たちはこれを「サイトを、人だけでなくAIも使う時代になる」と受けとめました。
そこで、最初からAIと相性のよいCMSに乗りかえることにしました。あわせて、自社サイトそのものを「新しい技術の実験場」にして、お客さまへの提案材料にもしようと考えました。
何を選んだのか

組みあわせたのは、次の3つです。むずかしい名前が並びますが、役割はシンプルです。
Payload CMS:記事や画像を管理するしくみ。プログラムから扱いやすく、AIとの相性がよい
Next.js:サイトの見た目を表示するしくみ
Coolify:自前のサーバーを、ボタン操作に近い感覚で運用できる土台。AIからも操作できる
これらを、レンタルサーバーのXServer VPS(6GBプラン)の上で動かしています。サーバー代は契約期間によって月1,700〜2,200円ほど。CMS自体もオープンソースなので、ライセンス料はかかりません。
ここで伝えたいのは「自分で組めば安いですよ」ということではありません。お伝えしたいのは、毎月の維持費がこれだけ軽い構成がある、ということです。だからこそ弊社がお客さまのサイトをつくるときも、大手に一式おまかせする場合(初期数十万円〜、それに高いライセンス費が毎年のる)とくらべて、初期費用も公開後の維持費もぐっと抑えられます。新しいことを小さく試したい会社にとって、ここがいちばんの利点だと考えています。
つまずいたところと、その解決
正直に書くと、すんなりとはいきませんでした。ここがいちばんの「学び」なので、技術的な要点も残しておきます。読み飛ばしても、記事の筋は通ります。
つまずき1:サイトを組み立てる時点で、データベースにつながらない
今回使ったひな型は「組み立て(ビルド)の段階で、データベースに接続できる」ことを前提にしていました。ところが今回のサーバー構成では、その段階ではデータベースにつながりません。結果、組み立てが途中で止まってしまいました。
ネット上でよく紹介されている回避策を試しましたが、私たちが使っている新しいバージョン(Next.js 16)では動きませんでした。実際に手を動かして確かめたうえで、別の正攻法に切りかえています。具体的には、ページを「あらかじめ作り置きせず、見られた瞬間に組み立てる」設定に変えました。
つまずき2:公開直後、全ページがエラーになった
次は、サイトを公開した直後に、ほぼ全ページがエラーになりました。原因は、データベースに必要な「表(テーブル)」がまだ作られていなかったことです。
調べると、開発中は自動で表を作ってくれる機能が、本番では意図的に止まる仕様でした。そこで、CMSの提供元が公式に推奨している「起動時に、必要な変更を自動で適用する」やり方に切りかえて解決しました。
どちらのつまずきも、私たちの環境だけの特殊事情ではなく、同じ構成なら誰もがぶつかる「あるある」でした。だからこそ、こうして記録に残す価値があると考えています。
インフラも、AIと一緒に
今回おもしろかったのは、サーバーの設定やサイトの公開作業の多くを、AI(Claude)と対話しながら進められたことです。Coolifyは外部から操作するための窓口を持っていて、AIがそこを通じて「公開して」「状態を確認して」といった操作を実行できます。
人が画面をぽちぽち触る作業の一部を、AIに任せられる。これは、これからの運用を大きく変えていく手応えでした。
つくってみて、これから
完成したサイトは、表示も速く、編集画面も日本語で、社内のだれでも記事を書けます。高いライセンス費もなく、毎月の維持費は軽いまま。「専門の業者に頼まないと一文字も直せない」という、よくある悩みからも解放されます。
次は、AIがCMSの中身を直接読み書きする「MCP」というしくみの本格運用に進みます。うまくいけば「記事の下書きはAIに任せ、人は中身を確認して公開するだけ」という運用も見えてきます。サイトの更新にかかる手間とコストを、もう一段下げていく取り組みです。
さいごに
ここで得た知見は、そのまま御社のサイトやサービス紹介ページにも応用できます。「WordPressの次をどうするか」を考えている方、AIを業務に取り入れたいけれど何から始めればよいか迷っている方は、ぜひ一度ご相談ください。
大きくつくり込む前に、小さく試すところからお手伝いします。大手のSIerやコンサルに頼むほどの予算はかけられない、でも新しいことに踏み出したい——そんな会社こそ、私たちの得意とするところです。